熊本県山鹿市。歴史ある町並みに溶け込む「ricca(リッカ)」の扉を開けると、そこには洋菓子の甘い香りと、どこか懐かしくゆったりとした時間が流れています。

白を基調とした清潔感あふれる店内に、クラシックなアンティークが静かに息づく空間。この場所で提供されているのは、単なるスイーツではなく「記憶に残る体験」そのものです。
「若い人だけに尖るのではなく、年配の方も含めて誰もが居心地のいい空間を目指しています」
そう語るのは、シェフパティシエの市原勇生さん。
riccaの店づくりには、流行の「映え」を追うのではない、一本筋の通ったポリシーがあります。
「見せつけるためのおしゃれではなく、お客様第一の居心地」
その静かな美学を支える要素として、市原さんは「クラシックであること」を大切にされました。

ジョンブルとの出会いは、家族ぐるみの面識や地域のつながりといった「ご縁」からでした。しかし、共に店づくりを進める決め手となったのは、単なる知り合いだからではありません。
「店をやるなら、流行の”それっぽさ”よりも、自分の感覚に合う本物を置きたい」
市原さんの研ぎ澄まされた感覚と、ジョンブルが提案するアンティークの世界観。その二つが自然に噛み合ったことで、理想の空間づくりが動き出しました。


市原さんは、新品の良さも認めながらも、次第にアンティークの持つ力に強く惹かれるようになったと言います。
「アンティークには、時間が刻まれている。使い込まれた表情、傷、塗装のムラ。新品を加工して古く見せることはできても、そこに本物のストーリーは宿りません」
誰が、どこで、どう使っていたか。そんな目に見えない背景が、空間に奥行きと豊かさを与えてくれる。その価値を知る市原さんだからこそ、ジョンブルは最高の一点を提案し続けました。


riccaの”顔”とも言える象徴的な家具があります。それは、美しいケーキが並ぶショーケース下の造作カウンター。
素材となったのは、長い年月を経てきた「アンティークのドア」。
「新品の材料は使いたくない」という市原さんの強い意志を受け、ジョンブルの職人が立ち上がりました。サイズも形も異なるドアを一度解体し、モールを外し、板を組み替え、再び一つのカウンターへと再構成する——。新材で作るよりも遥かに手間のかかる、熟練職人の手仕事が必要な”大改造”。
こうして生まれたカウンターは、riccaの美学を象徴する唯一無二の存在となりました。


空間の要所に使われているアンティークの建具や家具たち。天然素材ゆえに、時には歪みが出ることもあります。しかし、そのたびに削って調整し、手入れをしながら使い続ける。
その「手間」さえも受け入れる覚悟が、riccaの空間をより美しく、深くしています。
調整が必要なとき、すぐに駆けつけ、共に空間を維持していく。その「伴走」こそが、私たちジョンブルの誇りです。


流行らせることは簡単かもしれない。けれど、自分の美学を貫きながら続けることは、決して容易ではありません。
riccaの空間には派手な主張はありませんが、市原さんの美学が、ケーキの味と同じ温度で静かに染み込んでいます。
完成して終わりではなく、時間とともに味わいを増し、育っていく店。ジョンブルはこれからも、その「育つ美しさ」を支え続けていきます。

Shop Profile
| 住所 | 〒861-0382 熊本県山鹿市方保田279-1 |
|---|---|
| 電話 | 0968-41-9399 |
| 業種 | 洋菓子・カフェ |
| Web | ricca-yamaga.jp |
| @ricca.yamaga |
| LOCATION |
〒861-4101 熊本県熊本市南区近見7丁目10-12
TEL 096-349-7711
>>GoogleMap
| OPEN HOURS |
火曜定休 11:00 - 17:00